取材:Abraham Rivera
ベーカリー『Clan Obrador(クラン・オブラドール)」
『Clan Obrador(クラン・オブラドール)』は、アカシア地区に小さなスペースを構えるベーカリーです。
ここは、グルメ業界を知る人々が注目するヌーニョ・ガルシア氏の店。マルティン・ベラサテギ、オリオール・バラゲル、パコ・ペレス、トーレス兄弟などスペインを代表するトップシェフやパティエたちと繋がる彼は、菓子職人からパン職人へと転向をはかました。そして、「絶妙な発酵によって美味しさを生み出すプロ」として傑出した存在となったのです。
世界を股にかけるパティシエ
彼はマドリード市内チャンベリ地区出身のマドリレーリョでありながら、マドリードだけに感性を留まらせている人物ではありませんでした。過去にはシンガポール、インドネシア、ニュージーランドなど「世界の半分を旅した」といい、その全ての旅が現在のパン作りに役立っているといいます。
店内に並べられているパンは、ナポリターナ(チョコのデニッシュ)、ヘーゼルナッツのクラフィン(クロワッサンとマフィンのハイブリッド)、レーズンロール、ジャンドゥーヤのクロワッサン(イタリア起源のヘーゼル ナッツチョコ)、ブラウニー、シナモンロール、ゴルゴンゾーラと玉ねぎのフォカッチャなどなど。ブロア(ガリシアで伝統的に作られているトウモロコシとライ麦パンの一種)、チャパタ、白パンもあります。
素材を活かしたおいしいスイーツやパン
平日はクラシカルなパンが多く、週末になると大胆にアレンジを加えた創作パンも登場します。バナナ、キャラメル、バニラ、チョコレートを使ったバノフィーを詰めているクロワッサンがその代表例です。また、オーツ麦とハチミツ、カラマタオリーブとローズマリー、ブルーチーズなどを使った特別なパンも。他の人が使わないような食材をあえて盛り込むのが、彼の得意とする勝負どころです。
ポルトガルの代表的なお菓子であるベレンケーキは、彼の作品の中でもひときわ美味しいと定評があります。繊細でなめらかなクリームと、空気のように軽いパイ生地。この食感はたまりません。
店は、プエルタ・デ・トレド(トレド門)から400mの距離にあります。
※この情報は2022年4月取材時のものです。サービス内容等は変更になる場合があります。