マドリード市営印刷所「アルテ デル リブロ」

アルテ・デル・リブロ

取材:Irene Caldevilla

スペインの印刷の歴史を伝える工業施設

マヨール広場から4分ほど歩き観光客たちが行き交う街角を抜けると、古い工業用の建物を見つけることができます。
ここは、マドリードの市営印刷所『Imprenta Municipal-Artes del Libro(インプレンタ ムニシパル・アルテ デル リブロ)』。
文化遺産であるグラフィックアートと、印刷製本技術の保存・普及を使命とする施設です。

スペイン 印刷機

スペインの貴重な文化遺産が残る工場施設

19世紀に建てられた旧市立印刷石版工場が改装され、2011年12月に現在のような展示スペースがオープンしました。3,500平方メートルの面積を有する3階建ての建物で、マドリードの中心部では数少ない工場建築の1つです。かつてはフランシスコ・ハビエル・フェレラ・リュシアとルイス・ベリドによって設計・建設され、その後、ルシオ・オニョーロによって増築されたのが1955年。露出したレンガのファサードや水平性を強調する不等間隔の窓といった多くの価値ある建築技術が残されています。また、看板のタイポグラフィ、筒状の街灯、メインの門の錬鉄細工など、アールデコの美学を取り入れたデザインも魅力的です。

歴史ある印刷機械と作品を展示

建物内には、過去200年に渡る3,000点以上のグラフィックアートが展示されています。そして、それらのアートを生み出した手動のプレス機、ミネルバ(19世紀以降の印刷で使われていた小型の活版印刷機)、凹版、石版といった歴史を物語るものも。

年代順に印刷の歴史を知ることができる常設展のほか、企画展やワークショップもあり、活版印刷の工房や手作り製本などが体験可能です。

※この情報は2022年9月取材時のものです。サービス内容等は変更になる場合があります。

  • 料金 無料
  • 営業時間 火-​​金10:00 - 20:00 / 土日10:00 -14:00 /月定休
  • 住所 Concepción Jerónima, 15
  • 地下鉄 Tirso de Molina
  • 電話番号 +34 914 294 881
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