デスカルサス・レアレス修道院 ガイドツアー

デスカルサス・レアレス修道院
目次

貴重な作品が展示されているデスカルサス修道院。注目はここ!

マドリッドの最も都会的な中心部に、厚い石壁の囲まれ時が止まっているかのような建物があります。
ソル駅とカジャオ駅の中間ほどに位置する場所。マドリードに住む人なら何度となく通っているに違いないエリアですが、そこに芸術的・歴史的・文化的な遺産があることを知らずに通り過ぎている人も多いようです。

デスカルサス・レアレス修道院(Monasterio de las Descalzas Reales)。

ここには、世界中から集められたあらゆる分野の美術品(陶磁器、彫刻、金細工、タペストリー、絵画など)が1万点以上も展示されています。
情報にあふれ、目まぐるしく変化する現代の中で、価値あるものを示してくれる貴重な存在といえるでしょう。

デスカルサス修道院 外観

修復作業を経て、一般公開を再開

2020年から2021年にかけての2年間、デスカルサス修道院は一時閉館され、その間に修復工事が行われていました。そして、2022年に再開。館内のガイドツアーを体験できるようになりました。
修復された作品をはじめ、以前は公開されていなかった展示もお披露目されることに。LED証明システムも導入されるなど、8つの空間が改装されました。

重要な肖像画が展示されている2つの部屋

新たに鑑賞可能になったのが2部屋。
1つは、カンディロン(Candilón)。デスカルサス修道院の創設者であり、敷地内の礼拝堂に埋葬されているフアナと、その姉マリアの部屋です。2人の姉妹の肖像画が数々展示されています。
もう1つは、サロン・デ・レジェス(Salón de Reyes)。修道院と王室を繋ぐ空間とされ、フェリペ2世の宮廷画家だったサンチェス・コエジョが描いたフアナの肖像画をはじめ、ハプスブルク家の重要な肖像が展示されています。

デスカルサス修道院 肖像画

かつて宮殿を修道院に変えたフアナ王女

スペイン王カルロス1世とポルトガル王女イザベルの次女であるフアナ(フアナ・デ・アウストリア)は、この敷地内で生まれました。当時ここは王族の住まい、つまり宮殿でした。その後、1559年にフアナが宮殿を譲り受け、修道院を設立したのです。内装にはプラテレスク様式やルネサンス様式が用いられ、礼拝堂や祭壇などが作られました。

フアナは17歳でポルトガルの王太子ジョアン・マヌエルと結婚しています。しかし、その2年後、3歳年下だったマヌエルは16歳の若さで急逝してしまいます。未亡人となったフアナは、彼女の長男セバスティアンをポルトガルに残してマドリードに戻ってきました。そして、ここで娘マルガリータと暮らしていました。マルガリータは今も、フアナと共に礼拝堂に眠っています。

デスカルサス修道院 礼拝堂

魅力的なガイドツアーで修道院内を見学しよう!

何年もに渡ってブルボン家が王位についていた時代には、修道院と王室との関係が希薄になっていました。しかし、修道院に納められていた王家の物が芸術的に高い価値を持つことから、1960年になってバチカンが修道院の一般公開を許可。誰もが訪問できるようにしたのでした。
今では隅々までじっくり鑑賞することができます。ぜひ一度は、ガイドツアーに参加して実物を見てみてください。

メインの階段とタペストリーは必見

デスカルサス修道院で絶対見逃せないものが、主階段Escalera principal)です。階段自体は16世紀初頭の建築であり、華麗な装飾は17世紀に作られました。厳かさと迫力のある圧巻の美しさ。
豪華な壁画の中でも、だまし絵で描かれた王室のバルコニーはひときわ目を惹きます。そこから、フェリペ4世、オーストリア王女マリアナ、その子供マルガリータとフェリペ・プロスペロの姿が見えます。

デスカルサス修道院 主階段

T字型の広い部屋、タペストリールーム(Sala de Tapices)には、ルーベンスがデザインした「聖体の勝利」に属する象徴的なタペストリーが飾られています。(その部屋はもともと貧しい聖女の独房室だったそうです。)

デスカルサス修道院 ルーベンスのタペストリー

美術館並みに見応えのある展示作品

改修されたエル・カルディロンの間(El Candilón)には、皇帝ルドルフ2世の非嫡出子だったオーストリアのアナ・ドロテア修道女の肖像画があります。

王の間(Salón de Reyes )には修復された作品の1つであるサンタ・クララの祭壇画や、ハプスブルク家の肖像画が展示されており、中でもアントニオ・リジ作の青いドレスのマルガリータ王女」(Infanta Margarita)は必見です。

16世紀と17世紀の絵画を集めた部屋では、サンタ・セシリアの油彩絵、ビセンテ・カルドゥチョの「受胎告知」、ガスパル・ベセラの「聖天使の護符」など、優れた修復作品が公開されています。

デスカルサス修道院 展示作品

デスカルサス・レアレス修道院のガイドツアー、予約方法は?

こうした作品は、ガイドツアーで鑑賞できます。
時間は、火曜から土曜までが10時から14時、夕方は16時から18時30分。日曜と祝日は10時から15時まで。

入館するにはガイドツアーの申し込みが必要で、自由に立ち寄って見学することはできません。
予約の受付は、国家遺産局(Patrimonio Nacional)のWEBサイトで行われています。
事前にチケット(一般6ユーロ)を購入してからお出かけください。
※水曜と木曜の午後には、開場時間(16時)に先着で同日のチケットが修道院入口でも一定枚数配布されます。

※この情報は2022年10月のものです。開館時間や入館料などは変更される場合があります。

チケット予約の方法

El Monasterio de las Descalzas Reales

1)政府の公式サイトへ デスカルサス・レアレス修道院 ガイドツアー チケット購入
2) 一般チケットであれば、Público General を選択(「COMPRAR」をクリック)
3)カレンダーで日付を選び、時間を選択(「SELECCIONAR」をクリック)
※チケットが売り切れている場合は枠が赤くなっていて「Agotado」と記載されています)
4)人数を選択(「AÑADIR A SU COMPRA」をクリック)
5)日付、時間、人数を確認し、間違いがなければ次に進む(「PAGAR VISITA」をクリック)
6)Eメールアドレスと名前を入力
7)支払い情報を入力

日本人なら知っておきたい、日本との深い関わり

デスカルサス修道院には、日本とスペインの交流に関わるヒストリーがあります。以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

  • 料金 入館料 一般 6€
  • 営業時間 火-土10:00-14:00,16:00-18:30 日祝10:00-15:00(窓口は閉館1時間前まで)
  • 住所 Plazade las Descalzas, s/n
  • 地下鉄 Sol / Callao / Opera
  • 電話番号 (+34) 914 548 800
  • リンク Web
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次