取材:Maria G. Aguado
撮影:Paco Montanet
知恵とスキルが集約されたレストラン – Soy Kitchen
チャベリ地区、スルバノ通りの59番。
中国北京出身のシェフYong Ping Zhangさんがオーナーを務める「ソイ・キッチン」は、食材使いの秀逸さが評価されているイノベーティブ料理レストランです。map
知恵とスキルが集約された料理が味わえる、と地元の美食家たちには定評があります。
中国料理をベースとしたモダンな創作料理
Yong Ping Zhangさんはスペインではフリオという呼び名で知られています。
出身は北京。中国で帝国料理の基礎を学び、その後、パンプローナのレストラン「アサドール・アルマディア」で4年間の修行を積んだそうです。
そして、2014年にマドリードで「ソイ・キッチン」をスタートさせました。
当初レストランがあった場所は、マドリードの街の中心にありながら中国食材が豊富に売られているモステンセ市場の向かい側でした。(その場所には現在、コンセプトが異なる彼のもう1つのレストラン「ラミアン(Lamian)」があります)。
子豚の耳を使った点心などサプライズのあるメニューで食通たちを惹きつけ、2017年にはスルバノ通りに場所を移し店をさらに大きくしていったフリオさん。その後、現在のスルバノ通りに「ソイ・キッチン」をリニューアルオープンさせました。
美味しいサプライズを込めたメニューを日々更新
中国料理をベースにした創作料理がいったいどういうものなのか、ちょっとメニュー例をご紹介すると・・・。
フォアグラとザル貝(ベルベレッチョ)と椎茸の点心
四川唐辛子でカリカリに焼いたイベリコ豚
海苔・シソ・チリ・トリュフ・エビのソースを絡めたホタテは、クリーミーに炊いたライスの上にトッピング
タコにはスモークした卵黄と生七味を添えて
サーロインステーキには多彩な海の幸・山の幸・花々を盛りつけ
これらのメニューはほぼ毎週更新され、フリオさんが新たに開発した料理が披露されます。
季節によっても内容は異なるのですが、すべての料理の90%は中華鍋を使用して作られていることだけは変わらないそうです。
中華鍋を振って見事に仕上げられる過程はオープンキッチンからも見ることができます。
価格はコース料理なら55~65ユーロ。ややお高めですが、記念日や接待にはほど良いのではないでしょうか。
カクテルバーとしても人気のスポット
「ソイ・キッチン」はカクテルバーにもこだわりがあります。
カクテルバープロデュースのマエストロと呼ばれているアルバロ・カニェジャス氏の協力により、料理とのマリアージュを楽しめるカクテルを提案。
自然食材を使い、前菜からデザートまでをさらに美味しくする一杯を用意してくれます。
例えばクラシカルな定番ブラッディメアリーには通常ウォッカが使われているところ、こちらではシェリーをベースに。さらに21種類の材料がミックスされています。
店内は木製のテーブルに布張りのチェアが組み合わせられ、海を思わせる深いブルーとオリエンタル・ライトがナチュラルな温かさを演出しています。
広く都会的な空間ですが、急がずゆっくりできる心地良さを感じられることでしょう。
目立った大通り沿いではなく、静かに街に溶け込んでいる立地にも好感が持てます。
同じ通りには日本食レストラン「Izariya」があり、そちらも要チェックですよ。
近くにソロージャ美術館があるので、食事の前にソロージャの名画を鑑賞するのもおすすめです。
※この情報は2017年取材時のものです。メニューや営業時間、サービス等は変更になる場合があります。