アンヘリータ スペインワイン レストラン

取材:Abraham Rivera
撮影:Juan David Fuertes

アンヘリータ」ワイン好きなら、きっと気に入る1軒

グラン・ビア通りの1本裏手にあるレイナ通り。スペインの中でもとりわけ注目されているシェフたちが店を構えるエリア内に、ここ「アンヘリータAngelita』があります。
オーナーは、ビジャロン・ダビッドさん、そしてマリオさんの2人兄弟。それぞれ、食とワイン、カクテルについて専門の知識を持ち、長年にわたって料理分野に携わってきたプロたちです。

両親の味を引き継いだ2人がハイレベルの料理人と称されるまで・・・

アンゲリータ 人気店のオーナー

彼らは家庭料理店を営む両親のもとで育ちました。現在手がける料理にはモダンな創作が加えられていますが、レストランの原点にあるのは、幼い頃から身近にあった素朴な郷土料理の味だといいます。

もともと両親の食堂は、マドリードのカラバンチェル区にあったそうです。その場所で料理の基本を覚えた2人は、その後、両親の元を離れてセラーノ通りにあるレストラン「エル・パドレ(El Padre)」へ。そしてさらに経験を重ねながら、少しずつ家庭料理を進化させていきました。やがて、セレブたちからの評判が高まりワンランク上の料理人としてその名を知られていくことに。常に品質の良い食材を使用し、正直で、馴染みやすい味を提供してくれるという点が、幅広い層にファンを増やしていった理由の1つでした。

伝統に基づいた新たなオリジナル料理に手応えを得た2人は、街の中心地グラン・ビアにこの店「アンヘリータ」をオープンさせました。近くには有名シェフのアルベルト・チコテ氏がプロデュースした店「ヤキトロ(YAKITORO)」のほか、カクテルバー「デル・ディエゴ(Del Diego)』、「バル コック(Bar Cock)』などがあります。そんな人気店揃いの中でもこの店は真の美食家に支持されている注目すべきワインバルレストランといえます。

アンヘリータ マドリードのレストラン バルスペース

開放的な空間、品揃え、サービス、すべてが格別

店内は、雰囲気も営業時間も異なる2つのゾーンから成っています。
1つのゾーンは、通りに面したガラス窓から陽が差し込む開放的なスペースです。もう1つは地下にあるアメリカンバー。チェスターソファに座ってカクテルを味わうなら、こちらへ。

アンヘリータ 店内

内装のイメージは、「ロンドンのサロンとNYのクラブの中間」だそうで、空間はモダンにデザインされています。一方、料理はクールにしすぎず、食堂でおいしさを覚えた彼らならではの温かくなじみやすいテイストが加えられているのが特徴です。

例えば、鶏肉でダシをとった伝統的なスープ。玉ネギ、生ハム、パルメザンチーズ、そして卵の黄身を添えて一見斬新に見えますが、ベースのスープはあくまでもシンプルで素朴。
このほか、醤油味を加えたイベリコ豚のタタキや、マンテキーヤ(白身魚の一種)のグリルなども、奇をてらいすぎていない、どこか懐かしさのある味です。

また、おつまみとなる一皿にも産地や質がしっかり選ばれています。カタルーニャ州ビック製のサルチチョン、アンダルシア州ウエルバ製のロモやモハマ(マグロのジャーキー)、カスティーリャ・イ・レオン州サモラ製のピリ辛チョリソなど。

小規模生産の自然派ワインを厳選しているのが、こだわり

この店最大の注目してほしいポイントは〝ワインのセレクト〟です。

ここでは、ワインにかなりこだわりがあります。セレクトしているのはソムリエの資格を持つダビッドさん。確かな環境とプロセスで丁寧に造られている小規模生産の自然派ワインを厳選しているそうです。スペイン産はもちろん、ポルトガル、イタリアのワインも。カウンターに座って、会話を弾ませながらおすすめのワインを選んでもらうという楽しみ方もおすすめです。

スペイン各地の伝統の味、素朴なおいしさ、飲み心地のいいワインが揃い、しかも、定番すぎずに新しい感覚も加わっている。食好きには嬉しい良店といえるでしょう。

※この情報は2016年4月取材時のものです。サービス内容等は変更になる場合があります。

  • 料金 平均予算10-30€, カクテル 9-11€
  • 営業時間 月-日13:30-24:00, バースペース17:00-02:00
  • 住所 Reina, 4
  • 地下鉄 Gran Vía / Santo Domingo
  • 電話番号 (+34) 915 21 66 78
  • リンク Web / Facebook / Instagram
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