取材:María Arranz
撮影:Javi de Bona
上質な革製品を作り上げるスペインブランド「オフィシオ スタジオ」
2人のデザイナーが出会った物語
大好きなバッグ作りを仕事にすることが夢だったというメリナ。彼女が現在共にバッグブランドを展開しているパートナー、ダビと出会えたのは、偶然ではなく必然でした。
ある日、メリナは自転車を修理するために自転車店へ。その店のオーナーだったのが、ダビでした。彼はその時、メリナが持っていたバッグがどうしても気になったのだそうです。そこで彼女に話しかけてみると、魅力あるそのバッグは自身の手作りとのこと。そして、メリナは初対面のダビに「バッグ作りを仕事にしたい」という夢を語ったのだといいます。
メリナの思いを聞いたダビは、彼女の才能を認めつつも、その道へ進むことには反対の意見を伝えたのだとか。なぜなら、彼は革のバッグ工房を営む家に生まれたから。長年家族がバッグ作りを続けているのを見て育ち、大変さもよくわかっていたのです。
けれどその後、メリナの情熱が冷めることはありませんでした。やがて彼女は念願のアトリエを手に入れ、プロとしてバッグ作りを始めていくことに。夢を叶えようとする彼女は、革職人の資質を受け継いでいるダビに「一緒に仕事をしていこう」と提案し、説得しました。そしてついに、彼を本職へと導いたのです。
こうして「オフィシオ・スタジオ(Oficio Studio)」がスタートしました。



化学製品を使わず仕上げる味わい深いレザー
「オフィシオ・スタジオ」の代表的なアイテムは、日常使いしやすいレザーバックです。
その他にも、財布、メガネケース、キーホルダー、ブックカバー、エプロンといった革製品が揃っています。もちろん、1つずつ全てが手作り。






いずれのアイテムにも上質の革が使われ、化学薬品を使わないタンニンなめしの手法が取り入れられています。時間と手間をかけるタンニンなめしによって仕上げていく革は、硬くて丈夫。革本来の色合いがそのまま活かされ、使い込むほど味わいを増していきます。彼らの商品が、美しく、味わい深く、質が高いのは、職人技が試されるこのなめしの工程を丁寧に行っているからです。
作り手と使い手の想いを大切に1点ずつハンドメイド
「お客さんと直接コミュニケーションをとることを大切にしている」という2人。これまでどんな人が何をオーダーしたのかを、よく覚えているといいます。いつのまにかお客さんが仲のよい友人になっていることも少ないないとか。



彼らのプロダクトの中でベストセラーになっているのは、「アニータ」と名付けられたドクターバッグです。昔の医者の診療カバンからアイデアを得ている収納力抜群のデザイン。ハンドバッグにもショルダーバッグにもなります。これは、メリナが始めてオーダーを受けて作ったバッグで、その注文者の名が商品名になっているそうです。
このほか、学生カバンのスタイルでリュックにもなるバッグ「ガラ」。郵便局員のバッグをモチーフにした「ポスタル」。スイスの軍隊で使われていたリュックをイメージした「スイス・リュックサック」など。
商品は公式サイトから購入することができますのでチェックしてみてください。
http://www.oficiostudio.com
Instagram
イニシャルを加えることも可能です。また、リクエストすれば実際に手作りしている様子の写真も添えてくれます。
「オフィシオ スタジオ」。
良いものを長く大切に使い続けたい人へ、ぜひお伝えしたいブランドです。
※この情報は2018年10月取材時のものです。サービス内容等は変更になる場合があります。