文:Martín López
Netflixで観られるスペインドラマ『ヴァレリア』Valeria Season 2
舞台はマドリード、街の風景やリアルな暮らしに注目を
Netflixで世界中に配信されているスペインのラブコメドラマ『ヴァレリア』。
エリザベト・ベナベントの人気小説をドラマ化したもので、主人公ヴァレリアと女友達3人のリアルな日々を描いた物語です。
登場人物のキャラクターやドラマの構成から、スペイン版『セックス・アンド・ザ・シティ』のようだとも言われています。
仕事に打ち込み、恋愛に揺れ、将来に悩むアラサー女子4人。
彼女たちが暮らしているのは、スペインの首都マドリード。ドラマの中ではマドリードの街並みや人気スポットなどが登場します。
ドラマ第2シーズンに登場するスポットを各話ごとご紹介!
例えば、改装されたプラサ・デ・カナレハスや、ビオンボ広場など、ロケ地はマドリードの各所に及んでいます。景色の良いテラスでビールを飲んで、人気のバルやレストランで語り合う主人公たち。ドラマでどんなマドリードのスポットが登場しているのか、本サイトスペイン語編集長マルティン・ロペスが各話ごとにピックアップしました。
※この記事では「シーズン2」のロケ地をまとめています。「シーズン1」についてはまた別の記事でご紹介しますね。
シーズン2:第1話 「逃げるのをやめる」
マドリードに戻ったヴァレリア
第1話では主にヴァレリアの家と職場が描かれ、マドリードの街はまだ見えません。ちらりと映るのは、カルメンとボルハがプレゼンを終えて帰るシーン。バルセロ劇場の入り口が確認できます。



第2話「迷った時は書け」
ヴァレリアがよく利用しているレストランは?
作家であるヴァレリアは、家のすぐ向かい側にあるレストランバーで執筆作業をしたり友人に会ったりしています。その店は、サン・グレゴリオ通りにある「フリーダ(Frida)」」。ここはヴァレリアにとって第2の家のようなものであり、元夫アドリアンと会う時にもこの場所を選んでいます。
第2話は友人4人がカフェ「エル・パレンティーノ」で会うエピソードで始まりますが、この店は残念ながらドラマの撮影後に閉店してしまいました。店があった場所に今では「Pez8」という新しいレストランバーがオープンしています。



マラサーニャ地区の韓国料理店&コスメショップ
カフェ「エル・パレンティーノ」から近いノヴィシアード通りに、カルメンとボルハがランチをする韓国レストランがあります。店名は「無餓不做」。〝空腹でなければ料理はない〟といった意味。落書きだらけの内装は、以前この場所にあったハンバーガーショップの名残だとか。



食事のあと、カルメンはショップで口紅を探します。そのショップは、フエンカナル通りにある「フレッシュリー・ストア(Freshly Store Madrid)」。美容アイテムが揃っているコスメショップです。



セクシーな大人のスイーツも・・・
メインキャラクターである4人は、流行に敏感。だからもちろん、マドリードにオープンしてすぐ話題となったショップ「ラ・ポジェリア(La Pollería)」を知らないはずはありません。20分も行列に並んで彼女たちが買った人気スイーツとは・・・。下の写真を見れば、ドラマを観ていない人でもわかるでしょうか。性器の形をしたワッフルです。(もともとは男性器のみ販売していたそうですが、女性の形も追加されたのだとか)



第3話「ただの本じゃない」
名作を揃えた本屋
第3話は、本屋でのシーンから始まります。ヴァレリアが(このドラマの原作作者でもある)エリザベス・ベナベントの新刊本を買うために訪れたのが、ラバピエス地区にある「ララ・リブレリア」という本屋。けれど、この店名をGoogleマップで探してもでてきません。これは、ドラマ内の架空の店名だからです。
実際に存在しているその本屋の名前は「スウィントン・アンド・グラント(Swinton&Grant)」。小説、グラフィック、コミック、写真集、同人誌など、独自の選書による本が揃っています。



エレガントなカクテルバー&ナイトクラブ
ヴァレリアたちが集まってビンゴをするバー。ドラマ内では「Bingo Night」という店ですが、このシーンは、マラサーニャ地区に実際あったカクテルバー「サンマテオ・サーカス」で撮影されました。ここは、今ではバーとしての営業は行っておらず、ショーやイベントなどに使われています。



4人が初めて空中ヨガのクラスに参加した場所は、「エスパシオ・ケ・ヴエラ(Espacio que Vuela)」。
パーティーを楽しんだディスコは「メディアス・プリ(Medias Puri)」。



第4話「さらけ出す」
安い!と評判の回転寿司店
第4話では、ヴァレリアたちがマドリードにある回転寿司店でランチをしています。その店は、グランビアにある「シャケ(Xake)」。寿司の食べ放題ビュッフェが人気で、平日のランチが11.50ユーロと低価格なことから地元の若者たちが多く利用しています。ヴァレリアは、安くてお得で話題の店をよく知っているんですね。



アーティスティックなイベントスペース
アドリアンの写真展が開催されている場所は、「エフェメラ・ギャラリー(Ephimera Gallery)」。ここはプライベートイベントやブランドのプロモーションなどに使われている場所で、普段は一般公開されていません。しかし、時々誰もが立ち寄れるようなイベントが行われているので、機会があったらぜひ訪れてみてください。ドラマに映されているよりもずっと素敵な空間です。



飾りっ気のない地元のバル
ネレアとオルガが〝フリオのバー〟でビールを飲んでいるシーンがあります。カウンターにタパスが並ぶ昔ながらのバル。華やかさがない店なので、ネレアはちょっと居心地が悪そう・・・。このシーンが撮影されたのは、チャンベリ地区にある「ラ・ガジェガ(La Galelga)」です。ドラマに映っているそのままの雰囲気の店です。



第5話「溶融」
マドリードの空を見渡すパノラマビュー
第5話でローラがセルヒオとの関係について決断を下すシーン。セルヒオの会社のパーティが開かれたのは、バックに見える美しい空が印象的なレストランでした。ここは、マドリードのシンボルスポットにあります。
近年新しいホテルのオープンや広場のリニューアルなどが続き、大きく変化を遂げたプラサ・エスパーニャ。その広場沿いに建つホテル「VPプラサ・エスパーニャ・デザイン」の最上階にあるのが、このシーンが撮影されたレストラン「ギンコ・スカイバー(Ginkgo Sky Bar)」。心が刺激される開放的なパノラマビューが広がっています。



第6話「トルティーヤチャレンジ」
美味しいトルティージャが食べられる店はどこ?
マドリードに住む食好きたち、それも美味しい店をたくさん知っている人ほど、〝お気に入りのトルティージャ・ラインキング〟をそれぞれ持っているものです。ランキングを更新するような最高のトルティージャにもっと出会いたい!と求めてしまうのは、食好きスペイン人たちの性(さが)・・・。ヴァレリアたちもまた、美味しいトルティージャを求めて徹底したフィールドワークを行っているようです。
第6話で登場するのは、マヨール広場にほど近いレストラン「アミシス(Amicis)」と、プラサ・デ・プエルタ・セラーダ通りの「カサ・パコ(Casa・Paco)」。前者は4人のお眼鏡にかなったようですが、後者は4人の気持ちを盛り上げるには至らなかったよう。実際のこの店ではトルティージャが美味しいという肯定的な口コミのほうが多いのですが、彼女たちの評価は違ったようでした。






女性たちが大人のおもちゃを買いにいくセックスショップ
ロラとヴァレリアが大人おもちゃを買いに行くのは、マラサーニャ地区にあるセックスショップ「ビー・ラバー・エロティック・マーケット(Be Lover・Erotik Market)」。扱われている商品以上に、まず、オープンな空間とポップなインテリアデザインが目を引く店です。



寒くても行きたくなるスカイラウンジ
第6話の最後には、ホテル「リウ・プラサ・デ・エスパーニャ(RIU Plaza España)」の屋上にあるルーフトップバーで4人のトークが繰り広げられます。360°マドリードの街並みを見渡せるスカイラウンジ。スリル満点のガラスの通路があり、マドリードの新定番スポットとなっています。厚手のジャケットやコートを着てテラスに座っているヴァレリア、ロラ、ネレア、カルメンの4人。寒さを感じるそんな季節にも行ってみたくなるような、美しく贅沢な場所です。



第7話「チカチカ」
壮麗なコンサート会場は、実はカジノの広間
第7話では、ロラと母親との複雑な関係に焦点が当てられています。ロラは兄に騙される形で母のチェロコンサートへ行くことに・・・。その演奏会が開かれていたのが、「カジノ・デ・マドリード(Casino de Madrid)」。その名の通り、カジノです。
撮影が行われたのは、サロン・レアル・デル・カジノ(別名サロン・デ・バイレ=ダンス広間)と呼ばれる部屋。ネオ・ロココ様式が用いられ、巨大なステンドグラスや、壮麗なクリスタルのシャンデリアが飾られています。まるで映画のセットのようですが、ドラマのために作られために演出されているのではなく、実際にある空間です。



有名ショピングモールのテラス
ヴァレリアとビクトルが会うシーンのテラスは、サンティアゴ・ベルナベウ駅の近くにあるモール「モーダ・ショピング(Moda Shopping)」の遊歩道に位置しています。しかし、実際のショッピングモールには、ドラマに登場するようなテラスがある店はありません。このシーンのレストランは、撮影のために「モーダ・ショッピング」に特設されたものです。



第8話「鏡に映る自分」
真っ暗で何も見えないレストラン
第8話で4人が最後に食事に行ったのは、何も見えない暗闇のレストラン。スマホや時計など光を放つものを持ってテーブルに着くことはできず、真っ暗な中で食事をします。このレストランは「ダン・ルノワール(Dans Le Noir)」。ロンドン、パリ、バルセロナなど他の都市にもある評判の店で、マドリードには王宮近くにあります。



ドラマ『ヴァレリア』サウンドトラック
印象に残る名曲が詰まった音楽セレクション
ドラマ『ヴァレリア』では、マドリードのロケーションに加えて、音楽もまた大きな魅力となっていました。
シーズン2では最新のヒット曲をはじめ、過去10年間に及ぶ世界各国のインディーズ音楽も使われています。
C. Tangana、La Bienquerida、Delaporte、Novedades Carminha、Hinds、Is Tropical、Metronomy、Passion Pitなど。全80曲。
こちらにSpotifyのリストがあるので、チェックしてみてください。